vol.07 – Madoka Pasarela / New York

刺繍を見ると、私の人生に何が起きているかわかる!だから「刺繍界のテイラー・スウィフト」

Imhereがお届けする、海外で暮らす気になるあの人。vol.07は、刺繍界のテイラー・スウィフトこと、MADOKA PASARELAさん。刺繍やラグ作りに没頭したり、パートナーのアンソニーと雑貨屋さんを営んだり、毎日大好きな人やコトに囲まれた、とってもチャーミングなNYライフをちょっぴり覗かせて頂きました。近くにいるだけで、なんだか空気がマイルドになって、クスッと笑い合える、そんなMADOKAワールドの魅力がたっぷり。

 

NYに住んでどのぐらいですか?

Madoka(以下M):NYに住んでどのくらいだろう〜、2年ぐらいかな。

 

どうしてNYに?

M:NYが大好きだったから。とにかく海外に住みたくて、初めはパリとNYを考えたんだけど、パリのワーホリが年齢的にダメだったの。ワーホリVISAの申請可能な年齢が30歳ぐらいまでのはずだったのに、その年はなぜか28歳まで引き下げられちゃって。だからパリはダメだと思って・・・。NYなら友達も何人かいるし、何か始めたり、生きていくのに楽かなって思ってNYにしたの。実は、旅行でNYに来た時から、いつか住みたい♡とも思ってたんだ。

 

ダイニングにはお気に入りのラグがいっぱい♡

 

移住してよかったことは?

M:アンソニーとのいい出会い♡があったことと、普通なこと言っちゃうけど、いろんなことに対する視野が広がったこと。日本にいるとわからなかったことを学べたと思う。お友達にもパートナーにも恵まれて。色々あるけど、全部なるようになって最終的に良かったって思ってるかな。

 

大変だったことは?

M:意外とそこまでないかも・・・。パンデミックとかヘイトクライムとか大変だけど、これは今の時期だから大変なわけで、渡米してジェネラルに大変なことじゃないかな。一度渡米した人が日本に帰ることの方が大変だと思う。NYは、日本人もたくさんいるし、日本食も簡単に手に入るし、たいして英語できなくても仕事がたくさんあるし、日本人にとって住みやすい街だと思う。もちろんNYにいると揉まれるけど、簡単に日本人が生きていけるところかな、とも思うの。だからNYに慣れてしまったら日本に帰って日本の生活をおくる方が苦労しそう。

 

ニューヨークに移住して変わったことは?

M:日本にいる頃は社会問題にそこまで敏感じゃなかったけど、そんな私でも考えるようになった。逆に日本にいた時は何も考えてなかったなーって思う。考えなくても生きていけちゃうからかな。NYにいると、世の中何が起こるかわからないって思うの。日本にいる時から、『もしかしたら今ここで殺されるかもしれない』って考えることがあったけど、NYに来てこの気持ちが強くなったの。例えば、メトロの車両に自分以外にもアジア人が乗っていたら、フゥ〜って安心できるけど、もし自分だけだったら「何かあった時に狙われるのは私だ!」って思ったりしちゃう(笑)。あと、夜道を歩いている時は、好きな曲は聞かないの。なぜなら、もし何か嫌なことが起こってしまったら、大好きな曲が嫌な思い出の曲になっちゃうでしょ。自分でもその心理が怖いって思っちゃうけど(笑)。

 

それぐらい警戒しているってことだと思う!

M:そう!アメリカではそれぐらい警戒しちゃう。いつでもデンジャー(笑)。

 

刺繍アートやラグ作りを始めたきっかけは?

M:刺繍は5年前とかかな。ワインポイントのTシャツが欲しかったの。無地の白いTシャツが好きでよく着てて。ワンポイントがあったらな〜って思って探したけど欲しいデザインがなかったから自分で(刺繍を)やってみようと思ったのがきっかけ。販売するようになったのは、刺繍を始めてから1年後ぐらい、いや半年ぐらいだったかな。最初は自分用に作って、インスタにあげてたんだけど、売ればいいじゃん!とか、買いたい!って言ってくれる人が増えて、じゃー、やってみようと言う感じで始めたの。

 

 

箸置きやラグもとっても可愛いくて大好き♡

M:テーブルウェアがとっても好きだから食器類を作りたいと思ったんだけど、粘土を焼いたり、セラミックを使ったり、難しそうで。準備が大変な作業があんまり得意じゃないから、材料を集めたらすぐに自分で始められることがやりたかったの。それで、箸置きなら小さな粘土でできるし、NYにあんまり売ってないからやってみようと。ラグはYouTubeで動画を見てたからかな!? 前からラグを作ってみたいと思っていたけど、手で作ると思っていたからタフティングガン(ラグを作る時に使う道具)の存在を知らなくて。そしたらYouTubeでやってる人がいて。それで買っちゃった、タフティングガン!

 

それで買っちゃうのがすごい!

M:フレームを作ったり大変な作業が多いからすごく迷ったんだけど、アンソニーもやれやれ!って応援してくれたので買っちゃった。ラグは、テーマを決めて1〜2ヵ月に一回販売するようにしてるの。

 

ラグを作るためのタフティングガン!

 

ブランド名は?

M:ブランド名はないの。何回か考えて付けてみたこともあったんだけど、結局どれもしっくりこなくて。

 

刺繍アートでこだわってることは?

M:やり始めた時に、「刺繍界のテイラー・スウィフト」って言うハッシュタグを付けてポストしてたら、なんとなく通ったの(笑)! インスタを見てくれている人が、「刺繍界のテイラー・スウィフトだ!」とか言ってくれるようになって。

 

みんなに知れ渡ってきたのね!

M:そう、特にテイラー・スウィフトが好きなわけじゃないけど、テイラー・スウィフトの曲を聴くと、彼女のプライベートな生活がわかる!って言われてた時期があって。私の刺繍を見ると、私の人生に何が起きているかわかる、みたいなことを言いたかったから「刺繍界のテイラー・スウィフト」。ただのテイラー・スウィフト好きって思われがちだけど(笑)。だから、刺繍の文字を見れば、「今、遠距離恋愛中なんだ」ってわかったり。あと、思ってるけど口に出さないフレーズとかを縫って、それを商品にしたり。刺繍で代弁みたいな(笑)。Thanks for calling me weirdoって刺繍が入ったTシャツは、昔からよく「まどかって変わってるよね〜」って言われてたんだよね。それに対してニコニコしながら「そう!? ありがとう」って返してたけど、本当はありがとうじゃないよ、って刺繍にして皮肉ってるわけ。

 

 

えっ、そうだったの!面白い!!アンソニーと二人で運営している雑貨屋さん「OUR LITTLE SKY」の由来は?

M:パンデミック中にどこへも行けなくて、5、6畳の小さな部屋の中で、アンソニーとベッドに横になってたの。そこには横になると空が見える小さな窓があって。私が『It’s our little skyだね』って言ったら、次の瞬間にアンソニーの頬に一滴の涙が流れたの。「どうしたの?」って聞いたら「たくさんの人が犠牲になっている中、こうやって小さな空でも一緒に見上げられて本当に幸せ。でも、このNYの小さな部屋と、小さく見えるこの空しかまどかに与えてあげられないことがとっても辛い」って言ったのが由来。空が好きなのに、どこにも行けないし。しかも、中庭に面してる窓だったからベッドの上に座っても見えなくて、ベッドに横になると空がチラッて見えるの。あれは春ぐらいだったかな。パンデミックだったけど、とにかく毎日楽しかったな〜。

 

 

どんなに小さな部屋でも大切な人と一緒にいられるのは幸せ。Tシャツの刺繍や箸置きなど、作品のインスピレーションは?

M:なんだろな〜?刺繍なんだけど、お絵描きしてるみたいな気持ち。好きな色の組み合わせとか、自分が欲しいとか可愛いって思うものを刺繍にしてる。例えば、モナリサさんの刺繍は、LAのバーでカラフルな色を使った女の人のネオンサインを見て可愛いな、って思って作って。他の作品はただ好きなもの!ヤシの木が好きだし、犬が好きだし。適当なの(笑)!

 

 

それがまどかちゃんワールド!ユニークなネーミングはどこから?

M: MR.BEANは豆みたいだからMR.BEAN(笑)。暖かい色合いだなーって思ったからWARM WARMって名前を付けたり、出来上がって一番に思い浮かんだ言葉。箸置きは、HANAMARUって名前なんだけど、花だし、丸っこいからHANAMARU。チェリーの刺繍は「♪恋しちゃったんだぁ〜」って言うYUIのCHE.R.RYって歌からとったり・・・。MABOROSHI TOTE BAGは、今は隠してないけど、日本にいた時は売ってることを隠してたの。だからMABOROSHI(笑)。

 

これがそのMABOROSHI TOTE BAG。

 

【PROFILE】

Madoka Pasarela

欲しいと思えるTシャツが見つからず、自分でTシャツに手刺繍を施したのがきっかけで刺繍を始める。その後、カフェで作品を販売したり、メディアに取り上げられたりする中で、2019年に初めての個展を開催。同年、渡米。ニューヨークで惚れ込んだタフディングという技法でラグ作りをスタート。

オンラインショップ OUR LITTLE SKY

Instagram @our_little_sky

 

➖➖MEDIA INFORMATION➖➖

>>Im here magazine

2020年、ニューヨーク、ハワイ、イタリア、それぞれの場所を拠点に生活する3人の女性が立ち上げたウェブマガジン。現地のライフスタイルはもちろん、世界各国へ移住した人たちにフォーカスした「気になるあの人」のパーソナルなライフスタイル情報をインタビューを通して自分たちの目線でお届けしています。

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