vol.06 – Yuya / Hong Kong

「人も経済も全てがパワフルで街がやる気に満ち溢れている、そんな香港が大好きなんです」

 

 

Imhereがお届けする、海外で暮らす気になるあの人。

vol.06は、中国伝統文化とモダンな発想が混在するエキサイティングな街、香港でバーテンダーとして活躍するYUYAさん。

もちろん、その道のりは、決して容易なものではなかったという。

実は、YUYAさんは、私(nami)のボスとしてハワイでレストラン・バーマネージャーとして働いていた。 今回は、それぞれの自宅からFacetimeでハワイでの昔話なんかも楽しみながら、 香港での生活を語って頂きました。

 

2019 Pisco Spirit of Peru World Cocktail Competition – Grand Prix
ドバイで行われた世界大会で優勝

 

今までの経歴を教えてください。

YUYA(以下Y):22歳の頃、東京のホテルニューオータニでバーテンダーとして働き始めました。有能なバーテンダーを目指し、積極的に資格も取得し、数々のカクテルコンペにも出場し、賞も獲得ました。バーテンダーの資格にはカクテルの知識だけではくて、ワインソムリエ、プロトコルマナーやシガーなどバーに関する全てを勉強しました。

努力の結果、4年目に香港のバーからヘッドハンティングされワークビザを所得することができました。

その後、ハワイでレストラン・バーマネージャーとして経験を積み、ザ・リッツ・カールトン大阪を経て、2018年、再び香港に戻ることになりました。

 

ホテルニューオータニ東京時代

 

香港で初めて出場したカクテルコンペで優勝

 

香港に住んでどれくらい経ちますか?

Y:最初の移住が2年、2度目は現在3年目なので、合計で5年になります。

2度目は独立して自分のお店を持つために投資をしたのですが、オープン準備中に不動産トラブルがあり、結局リカーライセンスと営業許可が取れない状況に。既に、工事や契約は進んでいたため投資したお金を回収することもできずにオープンは見送られました。残ったのは、絶望と借金だけでした。

その後、運よく香港で就職が決まり、必死に働き借金を返済しました。

その時は多くの人に助けてもらい、皆さんに感謝しかありません。

現在働いているバー Le Bec Fin

 

そんな大変な思いをしていたんですね。それでも、香港で再び挑戦しようと思った理由はなんですか?

Y:活気溢れる香港が大好きなんです。香港は、人も経済も全てがパワフルで街がやる気に満ち溢れているんですよ。日本での経験はとても貴重なものでしたが、年功序列や終身雇用制度に縛られ、頑張ってもなかなか昇進できないという環境も厳しかったです。その点、香港では年齢や経験年数関係なく実力主義なので昇進のチャンスがあるんです。そんな環境で挑戦してみたかったからです。

香港の景色が一望できるアベニュー・オブ・スターズ

 

香港って、野心を持つ人達にとっては刺激的な街なんですね。

Y:そうですね。日本はクオリティーは高いけど技術が遅れていたり、都市の発展が遅い 。それに比べて香港は80%のクオリティーだけどスピード感があって、とても合理的だと思うんです。例えば、香港人は投資についても意識が高いです。MPF(=Mandatory Provident Fund)という公的年金制度があって、毎月収める年金を自分で運用するというシステムです。香港人は株など資産運用に慣れている人が多いので、定期的に運用成績を見ながら運用先を変更しているので、運用方法によって、65歳になった時に受け取る額に差が出ます。

 

移住する上で大変だったことや香港の治安、生活について教えてください。

Y:とにかく香港は今、貧富の差が激しくてミドル層が生活するには大変です。例えば、街での外食は基本的に高いです。かと思えば、一本路地裏に入るとローカルの安いお店が密集しているのですが、汚くてなかなか満足できるものが少ないと思います。洋服も同じで、手頃なものがなく、ハイブランドか商店街で売られているようなペラペラの服しかないです。賃貸ですが、最近では家賃が世界で一番高いとも言われていて、バスキッチン合わせて6畳しかないようなアパートでも10万円以上なんてこともあります。治安に関しては、よく心配されますが、とても良いですよ。日本よりも安全なくらいです。貧富の差は大きいですが、お金持ちが圧倒的に多いからだと思います。

香港のアパートメント

 

語学に関する苦労はありましたか?

Y:英語は小さい時からECCに通っていたので、興味がありました。でも、初めの香港移住の際には苦労しました。仕事しながら独学で学びましたが、香港は中国語が第一言語でネイティブの発音ではないので伸び悩みましたね。ただ、ネイティブではない分、英語ができなくてもハンディを感じにくいという利点もあって、積極的に話すことが出来ました。

 

普段はどこへ遊びに行きますか?

Y:やっぱり、お酒を飲みに行くのが大好きですね。香港には魅力的なレストランやバーが沢山あって、しかも密集しているから近くで飲んですぐ帰ることができる、この気軽さも魅力の一つです。

実は、香港は国土の3分の2は自然を残すという法律があって、街が密集しているんです。だから、電車で15分も走れば、そこには大自然が広がっていて、ハイキングや綺麗なビーチを楽しむことが出来るんです。

High Junk Peak Country Trail

 

香港のオススメスポットを教えてください♪

Y:オススメのバー“Quinary”は香港で一番有名なバーテンダーのお店です。いつも新しい発見があるのと、常に進化していて飽きさせないところが魅力です。

https://www.quinary.hk/

やっぱり、香港といったら“ティムホーワン(添好運)本店”で香港点心を味わってほしいですね。

http://timhowan.hk/

デートなら“Mott 32”でラグジュアリーな夜を楽しめます。ここのチャーシューはぜひ試して欲しい絶品です。

https://www.mott32.com/home-2

 

YUYAさんの今後の香港での目標は何ですか?

Y:香港で永住権を取得して自分のお店を持つことです。香港は7年間住めば永住権が取得できるので40歳までに店を持つことを目標にしています。ビザに縛られなければ、自分の理想のバーを持つことが出来ると思うんです。僕は、やっぱりカウンターに立ってカクテルを作っている時が一番楽しいし、お客様が心からリラックスして、お酒を楽しんでくれるお店を作りたいと思います。それから、大変だった時に手を貸してくれた人達に、感謝を忘れずにいたいと思っています。

ポートワインのコンペ入賞作品

 

PROFILE

YUYA SAKAMOTO

栃木県出身。専門学校卒業後、ホテルニューオータニ東京でバーテンダーとしての道を歩み始める。数々のコンペで賞を獲得し香港のバーからのヘッドハンティングで香港へ移住。その後、ハワイ大手レストラン、ザ・リッツ・カールトン大阪を経て再び香港に移住。現在ソムリエ・バーテンダーとして活躍しながら独立を目標に自らの技術を更に高めている。

 

YUYAさんの働くバー:Le Bec Fin

https://lebecfin.hk/

instagram : プライベートページ

https://instagram.com/yuyabrian?utm_medium=copy_link

instagram : お酒に特化したこちらのアカウントもチェック

https://instagram.com/yuyabar?utm_medium=copy_link