VOL.019 –YUKI KUSHIMOTO / ITALY_MILAN

18年勤めた会社を辞め、移住。日々情報をアウトプットしながら、イタリアライフを満喫

大好きなコモ湖です。キラキラと輝く湖と瑞々しい緑の美しさはどれだけ見ていても飽きません。

 

Imhereがお届けする海外で暮らす気になるあの人。vol.19は、ミラノ郊外でライターとして活躍するYUKIさん。遠距離恋愛を経て、コロナ禍をきっかけにイタリア移住を決断。18年間の日本でのキャリアを一旦ストップし、イタリアで新たな生活をスタートさせた彼女。カルチャーショックやイタリアならではのライフスタイルの魅力を、大阪弁満載で軽快に語って頂きました。ミラノから届くリアルな移住生活トークをお楽しみあれ。

 

「18年間働いた会社を辞め、イタリア移住を決意」

-Aco:ゆっくりお会いするのが初めてなので、色々なお話が聞けるの楽しみにしてました。早速なんですが、イタリア移住のきっかけは何だったんですか?

YUKI:まぁ、イタリア人の主人を追いかけてきたって感じですね(笑)。5年ぐらい日本とイタリアで遠距離してて、年に2回、私がイタリアに来て、夏には主人が日本に遊びに来るって生活してました。そのうち、30代中盤に差し掛かって結婚を考えるようになってきて。「そろそろこっちに来たいな~」ってアピールしてたけど、移住までは全然進まなかったんですよね。でも、コロナ禍が来て、1年間会えんくなって……。「そろそろ仕事辞めようかな」って言ったら、「来るの!?」って驚かれつつ、受け入れてくれて。でも、その時は結婚の話も全くなかったんです。

コロナがきっかけだったんですね、日本ではどんな仕事を?

日本では編集プロダクションで18年間働いていました。観光やウェディング関連、ファッション誌の関西特集などを担当してたんです。辞める時も、仕事関係や友人には結婚や恋愛の話は全くせず、こっそりイタリアに移住することにしたんです。移住というか、ただ来て、結婚の手続きを進めて、結婚できたからよかったなって感じです。もし結婚しなかったら、帰ってまた日本で働くという、プランBも用意してました、一応ね(笑)。

おぉ~、それはプランAが叶ってよかったです。とはいえ、18年間も働いていた会社をスパッと辞めるのは相当勇気がいるじゃないですか。入社34年のレベルじゃないですもん!

やっぱりイタリアに来たいという気持ちの方が大きかったですね。それに、18年も同じ職場で同じ仕事をしてたんで、そろそろ正直他の世界を見てみたいという気持ちも強かったんです。

コロナ禍での民事婚だったので全員マスク着用でした、それも懐かしい。

 

なるほどね、それにしても、3ヵ月で結婚の話を進めたのはすごい!

実は、主人は結婚する気が全然なかったんですけど、私がめっちゃ押し切ったんです(笑)。コロナ禍の入国規制時に観光ビザで入国したので、住むためには3ヵ月以内に婚姻して滞在許可証を申請する必要があったので、結婚手続きを全部リスト化して、こなしていったんです。だから、最後の最後まで、「本当にこの人は私と結婚する気があるのかな」って不安でした。自分の意思で彼を追いかけてイタリアまで来たけど、いつ逃げられてもおかしくない状態でしたね。

結婚できるって保証ないですもんね。でも、そういう行動力すごいと思う

まぁ、勢いですね~(笑)。移住したのがちょうど40歳やったんやけど、コロナがなかったら、結婚の話はうやむやのまま遠距離が続いてたかもしれません。それに、今は航空券も高いから、1週間の旅行のために簡単にイタリアに来れないだろうし。当時は30代だったから、遠距離も楽しんでできていたんだと思います。

勢いって大事ですね。移住前にイタリア生活に向けて準備していたことは?

やっぱり言語ですかね。今の主人とはオンラインで出会ったんですが、最初の1年はただの友達で、毎日英語でLINEしてるだけでした。そして一年後、日本でイタリア語を学び始めることにして、その時の先生がすごく良かったんです。教材を使うわけじゃなく、楽しく会話をしてくれる感じ。それがきっかけでイタリア語にどんどんハマっていきました。仕事のストレス発散にもなって、週1回のレッスンで少しづつイタリアが好きになりました。でも、実際に来てみると全然通用しなかったんですけどね(笑)。ただ、少しでもイタリアに溶け込んだり、イタリア人に慣れるという意味では心構えになった気がします。

 

「理不尽なことが多いイタリア生活。『しゃぁないな〜』って割り切ることも大事」

緑あふれるイタリアの公園。ピクニックも楽しい季節。

 

移住してからカルチャーショックはありましたか?

ありましたね、でも、嫌なことって、人にネタとして話したら浄化されるじゃないですか。なので、めっちゃいっぱいあったはずなんやけど、忘れてるなぁ……。ん〜、例えば、電車のキセル文化。イタリアでは、切符を買わずに乗る人が多すぎて、ちゃんと切符を買ってる自分がアホみたいな気分になることも(笑)。あと、ショーペロ(ストライキ)も月に2〜3回あるし、ビックリしました。とにかく、こんなに不便とは思ってなかったかな。あと、コスメ一つとっても、日本では手に入るフランスとか他の国のブランドのものが、イタリアではなぜか見つけられなかったり。

確かに、イタリアあるあるですけど、初めはショック受けますよね(笑)。旅行と実際に住むのでは何が違いました?

ほんまに旅行マジックってすごいなって思いました。どこ行っても良い面しか見えないですよね。ちょっとした不便さも、「それもええやん! 日本のせかせかしてる感じよりえいやろ」って良い方に変換できてたけど、実際に住むと、現実が見えてきます。日々、イライラしながら生活してた時もあるけど、今は忘れることが大事だな〜って思います。いちいち覚えてたら生きていかれへんからね、忘れるって良い機能(笑)。

イタリアって日本に比べたら理不尽なことが多くて、驚きますよね。私もイタリアに来てから無駄な執着がなくなりました。

執着が抜けたらめっちゃ楽ですよね。不要やったなぁ〜って気づく。日本だと、やりたいことはほぼ計画通りに進むことが当たり前やけど、イタリアではそんな上手くいかんのよね。どう頑張っても物理的に出来へんってことが多すぎる。私、1年目で思い通りになれへんことが多すぎて、その度に「しゃぁないな〜」って言ってたんですよ。主人が覚えるぐらい繰り返してて。そしたら、上手くいかないことがあっても、この言葉さえ言っておけば、「まぁ、ええか」って自分を落ち着かせるおまじないみたいな言葉になってました。この言葉に救われましたね(笑)。

イタリアに溶け込むために心がけていることはありますか?

家に帰ればイタリア人の家族や親戚が近くにいるので、これまでは日本人の友人と集まって日本語を話して息抜きを楽しむことが多かったんです。でも、最近犬を飼い始めたのをきっかけに、もっとイタリアに馴染もうと切り替え中です。犬の学校もイタリア人が運営するところに通い始めたり、イタリア人のインストラクターが教えてくれるピラティスを受け始めたりと、少しずつイタリアの生活に溶け込もうと努力しています。

パピー教室では子犬と同じノリでドッグトレーナーに「ユキがんばれ!」と応援されていました。

 

これからイタリアに来る人にアドバイスをするとしたら?

日本人の友達が必要ないという人もいるかもしれませんが、私は個人的に日本人の知り合いって必要だと思ってるんです。イタリアでの生活をスムーズに始めるためにも、どう知り合いを作っていくのか重要です。その点では、SNSは積極的に活用した方がいいと思います。私の場合は、イタリアに来た当初は全く知り合いがいなかったので、SNSがきっかけで知り合えた人が多いんです。なので、やっててよかったなって思います。

 

「SNSでの情報発信が新たな挑戦に! イタリア情報を発信する『YUKITALIA』」

コモ湖にあるお気に入りの邸宅「バルビアネッロ邸」。

 

イラストがアイコンになった「YUKITALIA」ですよね、コンセプトはありますか?

イタリアの便利情報かな。人気スポット、食べ物、観光地などを紹介しています。見てくれた人にとって少しでも役立つ情報があればいいなと思って始めました。基本はイタリア国内の情報ですが、他の国へ旅行に行った時は、旅先の情報もアップするようにしてます。日本でガイドブックや情報誌を作っていたので、その視点が得意なんです。

 

-SNS運用で工夫してることはあります?

写真の量ですね。見る人が情報をキャッチしやすいように、1つの投稿にできるだけ多くの写真をつけて投稿して、わかりやすく書くようにしてます。あとは、現場で撮影した後に再度リサーチして情報を的確に提供することも。できるだけ欠かさず配信することも心がけてます。趣味レベルなんですけどね。

 

今は趣味でも、いつか仕事につながるかもしれませんしね。

モチベーションはそれです。

 

インスタ以外にもいろいろやってますよね?

YouTubeやTikTokもやってます。とりあえず連動できるものは全部やってますけど、インスタが一番力を入れてます。それから、最近は犬(MENTA)を飼い始めたので、MENTAのアカウント(@menta)も作りました。ビズラという珍しい犬種なので、それをきっかけに、アメリカ、アフリカ、インド、ヨーロッパの人たちとも繋がれて、楽しいですね。何かしらアウトプットすることがストレス発散にもなってると思うんです。多分、アウトプットが好きなんやと思います。

生後2ヶ月でやって来たビズラのメンタ。現在、犬育てに全力投球中。

 

海外生活って、ただでさえストレスが溜まりがちなので、発散方法を見つけるのって大事ですね。イタリア生活の魅力は?

ヨーロッパの他の国々に気軽に行けることやね。日本からだと旅行のハードルが高いけど、イタリアに住んでると、国内感覚で他の国に行けるのがいいよね。それと、日本に比べたら理不尽なこが多いけど、その分、すぐに忘れる能力さえ持ってたら、生きやすい国だと思います。あと、イタリア人のおおらかなとこかな。まぁ、大阪人なんで、せかせかしてて予定を詰め込むのが好きなんですけど、うちの夫はそれがダメ。だから、今はリラックスすることを習得中(笑)。MENTAを飼い出したこともあって家にいる時間が増えたので、これも修行やと思ってます。イタリア人ってバカンス中に「何もしない」ことを楽しんでるやんか、それを今、特訓中やねん(笑)。

 

日本に帰ると、切羽詰まってるな~って感じることが多いから、イタリアのこのゆるい感じはいいですよね。移住した当初、何が一番大変でした?

やっぱりイタリア語ですね。一定のレベルが話せるようになると、それ以上なかなか上達しなくて……。もっと上手くイタリア語を使いこなせたら、生活の質が上がるやろうなぁ~って思います。イタリア人ってこっちがリアクションを取ってたら、どんどん話してくれるからコミュニケーションが円滑に進むじゃないですか。だから、リアクション芸だけはやたら磨かれていくんですよ(笑)。それはいいことでもあるんですが、大阪人からしたら面白いことが一番なんですよ。それを一応土台で生きてたんで……。こないだ一時帰国した時に、友達に「頭の回転が遅くなったな~、おもんなくなったなぁ~」って言われて。自分がイタリアで、いかにリアクションだけで会話してたのか気づいてしまったんです。大阪人って上手く返してなんぼやのに、それができなくなってる自分にかなりショック受けて(笑)。このままやと確実に感覚が衰えていくと思ったから、リズムやノリをちゃんとイタリア語に活かしていかなあかんなと思ったんです。

 

なるほど、イタリア語が上達するにつれて、「ツッコミ」ができなくなる、みたいな(笑)。YUKIさんは20代の頃にカナダ留学の経験があるじゃないですか。その頃と今の移住との違いは?

語学習得に関して言えば、カナダに留学してた時は、全力で飛び込んで言語も文化も楽しみながら自然に学んでいった感覚がありました。でも、今回の移住では、家族がいるので、生活の優先順位がかなり変わってきたのを感じますね。

最近はMENTAと過ごす毎日です。

 

好奇心やバイタリティがないわけではないけど、優先順位が変わってくるから、良くも悪くも20代の頃とは違ってきますよね。

そうなんやけど、それでも、言葉を習得する大切さは痛感してて。どうしても20代の頃のように、気軽に新しい友達とつるんで、そこでコミュニティーを広めていくというのは難しい部分もあります。だからこそ、語学の習得方法も変わるし、努力し続けることが必要なんやなと思います。まぁ、絶対話せる方が海外に住むには圧倒的に有利やから頑張って続けなあかんね。

 

今後やっていきたいことは?

発信するのは楽しいから続けていきたいですね。ミラノにちょうどいい感じの日本語の情報誌とかサイトってないんですよ。そのためにもインスタである程度の情報収集、情報発信ができたらいいなと思ってます。あと、誰かの役に立てることができたらいいですね。そして、人との繋がりも大事にしたいです。

 

最後にイタリアでお気に入りのスポットはありますか?

貴族や富豪の邸宅を巡るのが好きなんですが、中でもおすすめなのは、ミラノのVilla Necchi Campiglioです。映画「HOUSE OF GUCCI」の舞台にもなった場所で、ミラノの街中にして豪華な家&ガーデンが魅力なんです。それと、ミラノから1時間ちょっとのコモ湖が大好きです。サマーハウスがその近くにあるので、夏はそこで過ごす時間が大好きです。

外観も内観も優雅な雰囲気が漂うミラノの「Villa Necchi Campiglio」

 

【プロフィール】

Yuki Kushimoto / 櫛本由紀

王室とテルメをこよなく愛する、大阪人。約18年間、編集プロダクションに在籍し雑誌や書籍の編集・ライターを担当。2021年にミラノ郊外に移住し、フリーのライターに。

INSTAGRAM >>@yukitalia

2024年のクリスマス前に子犬のMENTAを迎え、そちらのインスタも毎日配信中@menta

 

➖➖MEDIA INFORMATION➖➖

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2020年、ニューヨーク、ハワイ、イタリア、それぞれの場所を拠点に生活する3人の女性が立ち上げたウェブマガジン。現地のライフスタイルはもちろん、世界各国へ移住した人たちにフォーカスした「気になるあの人」のパーソナルなライフスタイル情報をインタビューを通して自分たちの目線でお届けしています。

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